2015.11.05 Thursday

武家の子女は寝る時には「きの字」の形で寝なくてはならない。
男の子は大の字に寝ることが許されていたが、女の子は威厳を備えた「きの字」で寝るようにさせられた、これが「威厳の精神」を意味している。
杉本鉞子著「武家の娘」の中に書かれていた一節、この夏に神戸三田イオンの本屋で女優の杏の愛読書、と表示されていたので思わず買ってしまった。
この本の著者は明治6年に長岡藩の武家に生まれ、まだ江戸時代のしきたりが色濃く残っていた時代を生きた人なので、聞きかじった現代の時代小説家などよりよっぽど真柏感が感じられる。

長岡藩と言えば徳川家が滅びた後も官軍に抵抗した家老の河井継之助がいた藩で、以前読んだ司馬遼太郎『峠』に継之助の半生が書かれている。
杉本鉞子の父親は藩の重臣のようだが彼女が生まれている訳だから官軍との戦いに生き残ったのか、河井継之助が亡くなったのが慶応4年、それから幾年か経っているが「武家の娘」には変動の時代を見て来た事実が綴られている。

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